読む
「人類が月に行くようになって科学万能だなんて言われてますけど、いまだに大腸菌ひとつ作ることができなんですよ」ラジオでこの発言を聞いたとき、面白い先生がいるなと思った。それ以来、熱心な読者になったわけではないが、ときおり軽いエッセイ本なんか…
花まんま作者: 朱川湊人出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/04/23メディア: 単行本 クリック: 28回この商品を含むブログ (140件) を見る体裁としてはいちおう怪奇談なのだが、どちらかというメルヘンというか、ノスタルジックなおとぎ話に近い。肩の凝ら…
岩波文庫の内田百間「東京日記」を読んだ。「日常の中に突如ひらける怪異の世界を描いて余人の追随を許さない百間文学」という謳い文句である。でも、読み慣れていないと、こういうスタイルの怪奇談は戸惑うだろう。 初めて「冥土」諸篇を読んだときには戸惑…
「人間は他者を完全に理解することも共感することもできない」と言っている。ひとまず諦めの言葉を掲げているが、その諦観で止まるつもりはないらしい。その先に望みをつないでいる。 「他者との共生の基盤は共感や理解ではなく、『なんだかよくわからない人…
やせれば美人 (新潮文庫)作者: 高橋秀実出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/08/28メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含むブログ (25件) を見る本屋でたまたま手にとって1ページ目の文章を読んで迷わずレジに向かった。ダイエットの内容に関心があっ…
英文ばかり読んでいると、無性に日本語文が読みたくなる。特に漢文脈の文章が読みたくなる。たとえば、中島敦なんか最高だ。ついエスカレートして「論語」「老子」「荘子」「史記」「十八史略」と読み進みたくなる。 以下はネット上で見つけた碑文だが、一読…
十年前、東京・練馬の古本屋でA.A. Fairのペーパーバック、23冊をまとめ買いをしたことがある。安っぽい表紙の本で、各150円だった。店の外に無造作に並べられていたので、どの本も手で触ると砂と埃でじゃりじゃりしていた。それでも、まとめれば3,450円であ…
虫の春秋 (集英社文庫)作者: 奥本大三郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 1999/03/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る図書館のロビーにはまだ除籍図書が残っている。一人十冊の限定でリサイクルしていたのだが、だれも持って行かない本が取り…
2月11日、地元の神栖市中央図書館で除籍図書のリサイクルがあり、10冊ほどもらってきた。これ以上、蔵書の数を増やしてはいけないと思いつつ、無料という誘惑に勝てなかった。 「ノンセンス大全」 高橋康也 「聖なる春」 久世光彦 「山猫理髪店」 別役実 「…
上巻には21篇の短篇が収録されている。個人的な好みだけど、「明治四十二年夏」と「子供部屋」がよかった。また、「ささやかな結末」も楽しい読み物で、読後感がよかった。「天使が見たもの」はちょっと異色の作品だ。読後、少年の冷たい遺体に手が触れたよ…
つげ義春コレクション 近所の景色/無能の人 (ちくま文庫)作者: つげ義春出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/01/07メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (23件) を見るあるサイトでこのマンガの紹介記事を読んで以来、ずっと読み…
いつか王子駅で (新潮文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/08/29メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 40回この商品を含むブログ (164件) を見るたまたま書店でこの本が目にとまって購入した。堀江敏幸については何も知らない。何の予備知…
仔羊の頸には綱がついていて、これを持った少年が固い面みたいな顔をしていた。瞳が釣り上がっていた。アイロザが階段を下りて行くと、少年はひざまずいた。アイロザは眩しいほど白い羊を見ていた。そして、ナイフを出して綱を切ると、少年が手早く束ねた。…
高峰秀子のエッセイ集・にんげんシリーズ「にんげんのおへそ」、「おいしい人間」、「にんげん住所録」を毎月一冊ずつ読んでいる。(いっぺんにすべて読み切ってしまうのがもったいないのだ。)じつは、もう一冊「にんげん蚤の市」というのがあるのだが、こ…
人生の残り時間は少ない。読める本の数だって限られている。だから、これからは厳選して本を読もう。むやみやたらと本を買うのはやめよう。常日ごろ、そう言い聞かせている。 しかーし、格安本のコーナーの前に立つと、そんなことは忘れてしまう。いや、忘れ…
今週はNHKラジオ高校講座の「倫理」を読んでいる。ラジオ放送は週末の夜7時35分なので、聞いている余裕がない。それでテキストだけを読んでいるのだが、これがなかなか面白い。 なぜ面白いかと言えば、恥ずかしながら学生時代に不勉強だったせいである。なに…
「与太郎戦記」と「陸軍落語兵」を読んだ。さすが語りのプロだけあって、ネタの粒を揃えている。また、ネタの良さだけではなく、柳昇の飄々とした語り口もいい。文章にとぼけた味わいがあって読んでいると気持ちも軽くなってくる。 ちなみに、こんな感じ。 …
「僕の小規模な生活」が面白かったので、次に「僕の小規模な失敗」を読んだ。さらに「うちの妻ってどうでしょう?」も読んだ。どれもこれも面白い。なんだろう、これは。私生活レポートの面白さなのか。「無能の人」のつげ義春や「失踪日記」の吾妻ひでおには…
石塚真一「岳」を読み終えた後、ほかにも登山関連のマンガはないかと探していたら「神々の山嶺」を見つけた。いま読み終えたところで、少し頭がぼーっとしている。 あまりにも熱い男たちのドラマだったので、心と体が感電したように痺れている。これは「岳」…
岳 7 (ビッグコミックス)作者: 石塚真一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/06/30メディア: コミック購入: 4人 クリック: 18回この商品を含むブログ (63件) を見る最近、マンガ喫茶に通っている。いま読んでいるのは石塚真一の「岳」。これがなかなかいい…
わたしの渡世日記 上 (文春文庫)作者: 高峰秀子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1998/03/10メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 80回この商品を含むブログ (65件) を見る上下巻750ページもある本を退屈もせず、愉しみながら一気に読み通した。文章はテンポ…
映画の「流れる」がよかったので原作を読んでみた。やはり文章に感心した。幸田露伴の娘であればこれくらい書けても不思議はないのかもしれないが、まあ、みごとなものだ。 物語の背骨は単純なものだ。四十すぎの未亡人(幸田文・本人とおぼしき中年女性)が…
考える蜚〓(ごきぶり) (中公文庫)作者: 奥本大三郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る最近、仕事が忙しくて疲れているせいか、手に取る本が柔らかい本ばかりだ。いま、目の前にある本も奥本大三郎…
赤めだか作者: 立川談春出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/04/11メディア: ハードカバー購入: 30人 クリック: 195回この商品を含むブログ (295件) を見る「赤めだか」を読んだ。自分が談志の弟子になったような気持になって読み通したら、ひどく疲れた。…
白い屋形船・ブロンズの首 (講談社文芸文庫)作者: 上林暁出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/08/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (5件) を見る上林暁の短編集「白い屋形船・ブロンズの首」(講談社文芸文庫)と「聖ヨハネ病…
夜の靴・微笑 (講談社文芸文庫)作者: 横光利一出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る好きな本は何度も読み返す。この本はかなり退屈な部分がある。それでも、何年かに一度は必ず読み返した…
怪人二十面相 (少年探偵・江戸川乱歩)作者: 江戸川乱歩,藤田新策出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 1998/10/01メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (17件) を見る よれよれの荒い棒縞の浴衣に下駄を突っかけ、妙に肩を振った歩き方で、せか…
[rakuten:book:11998509:detail] When I left Merle was wearing a bungalow apron and rolling pie crust. She came to the door wiping her hands on the apron and kissed me on the mouth and began to cry and ran back into the house, leaving the do…
The Chill (Lew Archer Series)作者: Ross Macdonald出版社/メーカー: Vintage Crime/Black Lizard発売日: 1996/06/03メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る I walked on to the next corner, sat on a bench at a bus stop, and read …
東京古書店グラフィティ作者: 池谷伊佐夫出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 1996/10メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (8件) を見る寝る前に「東京 古書店 グラフィティ」(著・池谷伊佐夫)を眺めている。東京に住んでいたころは毎日のよ…