「ある無名作家」つげ義春
- 作者: つげ義春
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/01/07
- メディア: 文庫
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「潔癖すぎる芸術至上主義で身を持ち崩した男」という評言のとおり、自分の理想に固執して生活を破綻させてしまった男の哀れさが淡々と描かれている。その抑制された描き方に、つげのこの男に対する無念さが込められているようだ。「たかがマンガなのに・・・」という短い言葉にも、その思いが表れている。読後、ひんやりとした悲哀が胸に迫ってくる。
文学の方では、こうした過剰な自我の敗北を扱った小説がたくさんあるけど、さすがにマンガでこれを表現するのはつげ義春くらいのものだろう。でも、自分が思いを懸けるものに対して純粋になればなるほど自縄自縛になって何もできなくなってしまうという心理はよくわかる。他人事ではない。バランスをとるのは難しいのだ。あらめて人生のテーマとして「程」を肝に銘じよう。
- 今年の初笑い「ムツゴロウ不死伝説」
YouTubeで「ムツゴロウの死ぬかと思った恐怖体験ランキング」を見た。ライオンに首を咬まれた体験が3位って・・・。それ以上に危険なことってあるのか? この人はやはり規格外の人だ。境界線を越えている。
http://jp.youtube.com/watch?v=oBeXIPTBCjE