ラジオ高校講座

麦の穂とペーパーバックス


今週はNHKラジオ高校講座の「倫理」を読んでいる。ラジオ放送は週末の夜7時35分なので、聞いている余裕がない。それでテキストだけを読んでいるのだが、これがなかなか面白い。
なぜ面白いかと言えば、恥ずかしながら学生時代に不勉強だったせいである。なにしろ知らないことばかりだ。高校生用のテキストを読んでさえ「なるほど、そういうことだったのか!」なんて、一人で感心している始末だ。
たとえば、「人間は考えることに疲れると、だれかに単純な答えを出してもらいたくなる」なんて言われると、わが身を省みて思わず苦笑してしまう。また、「自分は、他者との関係のなかでつくられていく。真空状態のなかに自分という存在がぽっかりと浮かんでいるものではない。他者とのコミュニケーションなしに、ひとりで自分について考えても、永遠に答えは出てこない」といわれると、それはどうかな? なんて、一人でぶつぶつ呟いている。
まあ、そうした一言半句にいちいち躓きながら、また自問自答しながらけっこう楽しんでいる。時間に余裕があれば、古典や日本史、世界史、政治・経済なんかも勉強してみたいんだけど、なかなか時間の余裕がない。それにしても中年になって勉強が面白くなるとは皮肉なものだ。いまさら何の役に立つのだ? とは言うまい。NHK講座のタイトルのとおり、「知るを楽しむ」。ものを知ることは楽しいことなのだ。
(写真はフリー素材。[フォトライブラリー]より)