勤勉な2月

行き帰りの長距離バスの中、仕事が始まる前のコーヒーショップ、昼食後の会社のテラス、帰宅前に立ち寄る東京駅地下の喫茶店で本を読み続ける。
2月は「日本辺境論」内田樹、「高峰秀子の捨てられない荷物」斉藤明美、「通勤電車でよむ詩集」小池昌代編著、「『怖い絵』で人間を読む」中野京子、「悪人列伝・古代編」海音寺潮五郎、「古寺巡礼」和辻哲郎、「A killing Frost」R. D. Wingfield、「日本人が誤解する英語」マーク・ピーターセン、合計8冊を読了。冊数はたいした数ではないが、「A killing Frost」は570ページもある。これを2週間で読み切ったのは私の最速記録だ。めったにない集中力と読書欲が重なったようだ。

通勤電車でよむ詩集 (生活人新書)

通勤電車でよむ詩集 (生活人新書)

「通勤電車でよむ詩集」 こういうアンソロジーを読む効用は未知の詩人や詩に出会うことだ。まったく予期しない言葉やイメージに不意打ちを食らう歓び。
「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)

「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)

「『怖い絵』で人間を読む」 予想以上に面白かった。西欧史や絵画に詳しい人にとっては当たり前のことなのかもしれないが、私にはどれもこれも新鮮で、どきどきしながら読み終えた。中野京子の文章は学者の文章というより小説を書く人の文章だ。イメージが浮揚し、文章が細部へ伸びていく。
A Killing Frost (D.I. Jack Frost)

A Killing Frost (D.I. Jack Frost)

「A killing Frost」R. D. Wingfield ああ、もうこの人の新作を読むことができないのだ。なぜ、生前に少なくともフロスト警部シリーズを20冊ほど書き残してくれなかったのだろう。
日本人が誤解する英語 (光文社知恵の森文庫)

日本人が誤解する英語 (光文社知恵の森文庫)

「日本人が誤解する英語」 マーク・ピーターセンの英語本は定評があるので、あえてここで褒めるまでもない。氾濫する英語本の中でまさに「掃き溜めに鶴」。