「辻征夫詩集」

ぼくたちの(俎板のような)拳銃
咲いていなさい桃の花!
思潮社の現代詩文庫「辻征夫詩集」を読んでいたら、上の一行が目にとまった。「桃の花」という詩の中の一行なのだが、ここには山之口獏とその娘のミミコさんの名前も登場する。なんだか、とても微笑ましく愛らしい詩なのである。
もう十年くらい前になるだろうか。NHK教育テレビの詩の講座でねじめ正一が辻征夫の詩を紹介した。その中の一編が「葱」。
なにしろ冒頭の一行がいい。思い出すたび、くすくす笑ってしまう。
葱坊主はじっこの奴あっち向き