「映画千夜一夜」(前半)
- 作者: 淀川長治,山田宏一,蓮實重彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/01/25
- メディア: 文庫
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いまさらながら淀川さんの描写力はすごい。場景の細部を舐めるように語る。俯瞰で眺望する。女優の表情をアップで寄る。眼の動きを追う。心理に食い込む。本当にその場で映画のシーンを観ているような気になる。
また、淀川氏以外の二人もそれぞれの好み、見方、楽しみ方を、はっきりと、あるときは控え目に語っている。なるほど、先人たちはこんな風に映画を面白がり、楽しんでいたのかと納得した。おかげで少し気分が高揚してきた。よし、わしも何か面白い映画を観てみようという気になっている。ただ、この本に紹介されている映画はずいぶん古いものばかりだ。しかも、マイナーな作品が多い。こんなのうちの近所のレンタルショップには絶対に置いてないぞ。どうしたものか?
ちょっと気になった映画をリストアップしてみる(私がまだ観てない映画のみ)。
- 「散り行く花」 (W・D・グリフィス、1919、米)
- 「ベラ・ドンナ」 (ジョージ・フィッツモーリス、1923、米)
- 「キートンの蒸気船」 (チャールズ・F・ライスナー、1928、米)
- 「喝采」 (ルーベン・マムーリアン、1929、米)
- 「裏町」 (ジョン・M・スタール、1932、米)
- 「雨」 (ルイス・マイルストン、1932、米)
- 「十字路の夜」 (ジャン・ルノワール、1932、仏)
- 「暗黒街の弾痕」 (フリッツ・ラング、1937、米)
- 「ハリケーン」 (ジョン・フォード、1937、米)
- 「続清水港/代参夢道中」 (マキノ正博、1940、日)
- 「飾窓の女」 (フリッツ・ラング、1944、米)
- 「らせん階段」 (ロバート・シオドマーク、1945、米)
- 「殺人幻想曲」 (プレストン・スタージェス、1948、米)
- 「君が人生の時」 (H・C・ポッター、1948、米)
- 「黄昏」 (ウィリアム・ワイラー、1952、米)
- 「怪盗ルパン」 (ジャック・ベッケル、1956、仏)
- 「雨のなかの女」 (フランシス・コッポラ、1969、米)
実はまだ半分しか読み終わってない。なので、後半はまた来週。それにしても、「雨のなかの女」以外すべて私が生まれる前に作られたものばかりだ。この先、観るチャンスがあるだろうか?(ちなみに、名作は同じタイトルでリメイクされているものが多いので監督名と製作年に注意)