高峰秀子

高峰秀子

高峰秀子

やっぱり買ってしまった。キネマ旬報社の新刊「高峰秀子」。内容は、過去の記事や対談が多く、目新しさはない。でも、高峰秀子の写真集の定番としてこの一冊はちょうどいいのではなかろうか。
じつは以前、高峰秀子の写真集(女優高峰秀子 (別冊太陽) )をAmazonで検索したら絶版になっており、中古本を検索すると定価の五倍になっていた。だから、この一冊もすぐに絶版になり、中古本として高値になるのではと危惧したため、つい買い急いでしまった。
ざっと目を通しただけだが、出演作についてコメントが加えられており、これが現在の高峰秀子の声として興味深かった。

森雅之が上手かったねぇ。森さんの役が他の俳優だったら、あんな名作にはなってない」  (「浮雲」)
長谷川一夫さんは白塗りすると、水もしたたるいい男だったんだけど、普段は夏蜜柑みたいに顔がブツブツで真っ黒けな人だったの」(「或る夜の殿様」)
「三船さんも良かったけど、やっぱり阪妻さんの無法松にはかなわないね」 (「無法松の一生」)
東野英治郎さんが上手かったねぇ。私の役のお玉を囲う、質屋の主人」 (「雁」)
小林正樹さんにはその後、『怪談』の『雪女』を演ってくれって言われたんだけど、『雪女っていうのはいい女じゃないとダメでしょ。私は雪ダルマならできるけど、雪女はできません』って断ったの」(「この広い空のどこかに」)