「SNOOPY のもっと気楽に 1(なるようになるさ)」

スヌーピーのもっと気楽に (1) なるようになるさ (講談社+α文庫)
それほど期待してなかったのに読んでみると意外に面白かった。スヌーピーチャーリー・ブラウンたちが登場する「ピーナッツ」って、子供向けのマンガ、ドジでかわいいだけの世界だと思っていた。でも、実際に読んでみるとそれだけではない。もっと懐が深い。人生の明るさや楽しさよりも苦い失敗が多く描かれている。そして、人生、思うようにいかないことが多いけど、それでも結構楽しく生きることはできるのさと呟いている。
解説で河合隼雄先生が言うように、「生きることの知恵」がさりげなく、笑いに乗せて読者の手元に届けられるのだ。スヌーピーなんて、ときどき哲学的とも思えるようなセリフを吐く。

(何もしないでいるスヌーピーに向かってルーシーが説教をする)
ルーシー: あなたは人生を無駄に過ごしてると思うわ・・・。あなたにできる千ものことがあるに違いないというのに・・・
スヌーピー:(心の中のつぶやき)その通り、でも、犬であるってことは、フルタイムの仕事でね・・・

くーっ、カッコいい! ハードボイルドの私立探偵のセリフみたい。
ついでに、もうひとつ。

(ペパーミント パティがマーシーの家にやって来る)
パティ: ヘイ! マーシー! すばらしい夏の日よ! 出ていらっしゃいよ、何もしないで一日を無駄にするのよ・・・。それから、それを思い出して、一生後悔するの!

ネガティブな行為もまた人生の味わい。あるいは、老子無為自然の知恵か、なんていろいろ深読みもできる。
地元のブックオフに行ったら、105円の棚に「SNOOPY のもっと気楽に」の2、3、4巻があったので迷わず購入した。