武田百合子「日日雑記」

ざっくばらんなおしゃべりの文章なんだけど実に面白い。この人の娘の武田花についてはすでに当ブログで何度も取り上げ、さんざん褒めているのだが、武田百合子は初めて取り上げる。
やはり血筋はあるのだな、と思う。二人とも、日常の中の奇妙なもの、奇妙でおかしなものを鮮やかに掬い上げて文章にする。何でもない平凡な出来事なのに、それを救い上げて、ほら、これ、と差し出されると、これが実に奇妙でおかしなものに思えてくるのだ。こういうユニークな着眼点のセンスは血筋なのだろう。

日日雑記 (中公文庫)

日日雑記 (中公文庫)

(写真は天王崎公園から霞ヶ浦を撮影したもの。向こう岸は筑波山。一年前の冬のある日)