史記
- 作者: 横山光輝
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/07/01
- メディア: 文庫
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横山の漫画はあまり好きではないが、紙芝居だと思って気軽に読み捨てることができる。どこかで橋本治が映画「宮本武蔵」を評して、「こういう長い映画をだらだら観るのが日本映画の楽しみ方なんだ」みたいなことを書いていたが、この漫画「史記」についても同じことが言える。こういう紙芝居を寝転んで、一日中だらだら読みふける。だらしなくて、素敵な休日の過ごし方だと思う。
ついでに言うと、テレビドラマもそうだな。きっちり作りこまれたドラマもいいけど、ゆるーい作りのドラマをだらだら見るのって、けっこう好きだ。途中でトイレに行って、数場面を見逃しても、どうってことない。雨ばかり降って精神的に低調なときは、質の高い芸術作品よりも肩の凝らない通俗ドラマのほうがつき合いやすい。
それにしても「史記」の世界は人間ドラマの宝庫だ。計略、謀略、友情、裏切り、嫉妬、怨恨、復讐、疑心、忍従・・・シェークスピアを軽く越えている。(シェークスピアをろくに読んでもいないのに、とりあえずそう言ってみたくなる)