チャン・ツィイー

アジアンビューティ

チャン・ツィイーが映画「SAYURI」のプロモーションのために来日していたらしい。でも、昨日、はやばやと離日してしまったという。ちょっと残念。
チャン・ツィイーを初めて見たのは、チャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」だった。公開されてから5年も過ぎて、ようやく今年の春にビデオで見たのだ。なんの予備知識もなかったし、期待もしてなかった。ただ、他に見たい映画がなかったから仕方なく借りてきただけだった。
もともと恋愛映画が苦手なのだ。なんだか照れ臭くてたまらない。始まりから終わりまで進行過程がすべて見え透いてしまって、途中でばかばかしくなってしまう。とにかく退屈でたまらないのだ。
だから、この映画のビデオを借りてきたときも、ある程度、退屈することを覚悟していた。ただ、望みはあった。監督がチャン・イーモウだったからだ。この監督が凡庸なラブストーリーを作るはずがない、と微かに期待していたのだ。
で、観た。そして完璧にノックアウトされた。ボクシングで言えば、12ラウンド、ノーガードでめった打ちにされた感じだ。あるいは、1ラウンドのゴングが鳴ったと同時にカウンターパンチを食らって、意識が飛んでしまったボクサーのようなものだ。
私はここで映画評論をするつもりはない。ストーリーの紹介もしない。だって、この作品は映画じゃない。これはチャン・ツィイーのためのプロモーション・ビデオだ。それも極上の。
今、日本のおばちゃんたちは韓流スターを追い回しているらしい。中年を過ぎて、若い俳優に逆上せあがっているその姿を、マスコミは冷笑的に伝えている。でも、私は彼女たちを笑えない。恥ずかしながら、チャン・ツィイーの写真をパソコンの壁紙にしているのだ。