秋に観た映画(洋画)
- 「吾輩はカモである」レオ・マッケリー監督 マルクス兄弟
- 「ラブ・ハッピー」 デービッド・ミラー監督 マルクス兄弟
- 「シャンパーニュ」 ヒッチコック監督 ベティ・バルフォア
- 「ヒズ・ガール・フライデー」 ハワード・ホークス監督 ケーリー・グラント ロザリンド・ラッセル
- 「三人の名付親」 ジョン・フォード監督 ジョン・ウェイン
- 「オリエント急行殺人事件」 シドニー・ルメット監督 アルバート・フィニー
- 「地下鉄のザジ」 ルイ・マル監督 カトリーヌ・ドモンジョ
- 「うたかたの恋」 アナトール・リトヴァク監督 :シャルル・ボワイエ ダニエル・ダリュー
- 「獣人」 ジャン・ルノワール監督 ジャン・ギャバン シモーヌ・シモン
- 「野いちご」 イングマール・ベルイマン監督 ヴィクトル・シェストレム
- 「インド行きの船」 イングマール・ベルイマン監督 ビルイェル・マルムステーン イェートルド・フリード オルガー・ローウェンアドラー
相変わらず支離滅裂なラインナップなんだけど、この中で収穫はこれまで食わず嫌いで観たことがなかったベルイマンの映画を観たことかな。気難しくて退屈な映画という先入観があったんだけど、「野いちご」は意外にも軽快なテンポで、ユーモラスなシーン(家政婦とのやりとり)もあり、おもしろかった。
ベルイマンの撮ったロードムービーとして観た。路上で出会う人々、思い出の土地と親族、甦る記憶の数々。人生の実質はほとんど不愉快な出来事の連続なんだけど、それもこれも人生の苦い味わいとして受け入れならが生きていくしかない。そんな諦念の中で、ときおり分厚い雲間からわずかな幸福を予感させる日の光がこぼれ落ちてくることもある。
「インド行きの船」はドストエフスキーの世界のような息苦しさがあったけど、それでも退屈はしなかった。特に父親の人間性は底知れなくて興味深い。
「獣人」は粗削りだけど、それぞれの登場人物が個性的でおもしろかった。
今回はマルクス兄弟やヒッチコックなどの娯楽映画よりも、重厚でシリアスな映画の方が心に食い込んできて興味深く観ることができた。
ちなみに「地下鉄のザジ」はいまいちだったけど、音楽はよかった。そして出番が少ないカルラ・マルリエという女優さんが魅力的だった。