プロ野球・日本シリーズ

工藤公康 プロフェッショナルの矜持
先週末、報道ステーション工藤公康日本シリーズの思い出を語っていた。1999年の日本シリーズダイエー対中日。ダイエーのエース・工藤がドラゴンズのトップバッター・関川をいかに抑えたか。その話がおもしろかった。
短期決戦では相手チームのキーマンをつぶせというのが鉄則らしい。工藤は中日打線のキーマンを関川だと判断して、徹底的に研究した。そして関川がスイングするときに踏み出す前足に注目する。変化球を打つとき、前足の踵が地面につくのが遅い。ストレートを打つときは早い。そのわずかな時間差を見破った工藤は、必ず1球目はボール球を投げて、関川の踏み出す前足の踵がつく間合いを確認する。踵がつくのが早いと確認した工藤は2球目から変化球を投げる。変化球は打ってこないと分かっているから、大胆にもど真ん中にカーブを投げ込み、いとも簡単にストライクをとっていく。その後、粘られても変化球を続けていく。
打者とすれば薄気味悪いだろう。なぜ、見透かしたように緩いボールを平気で投げ込んでくるのか。実際、関川はインタビューに答えて、「自分の頭の中がすべて見透かされていると思った」という。
その後、関川は狙い球をことごとく外され、打撃不振に陥る。シリーズの対戦成績も4対1でダイエーが中日を破った。
今年の日本シリーズはドラマチックな熱戦を期待しているのだが、ジャイアンツが2連勝して一方的になりそうだ。これではつまらん。北海道に戻ったら日ハムに連勝してもらいたい。