深夜のトイレで

香取市役所裏の桜 2

週の半ば、突発的な仕事を引き受けて深夜まで作業していた。ちょっと息抜きをしようと台所へ下りて行った。冷蔵庫の中を物色していると、誰もいないはずのトイレで水が流れる音がする。えっ? 思わず時計に目をやると、針は2時45分を指している。流れる音の量から推測すると小便器の水である。誰もいないはずの家に私のほかに誰かいるのか? 冷蔵庫のドアを開けたまま、しばらく様子をうかがう。水の流れる音が止まらない。私は意を決してトイレに向かった。肝が据わっていたわけではない。逆である。誰かが出てくるのを待っているのが怖かったのだ。
廊下は明かりが点いていた。板壁も天井もいつもと変わらない。私はわざと足音を高く踏み鳴らしてトイレに近づいた。そっと手を伸ばし、ドアを開けた。真っ暗である。水が流れている。ただの故障か? ゆっくりと水洗用のボタンを押してみた。水は一時的に勢いを増したが、徐々におさまってゆく。やがて水は止まり、私はほっとした。ドアを閉め、台所に戻ろうとした。振り返ったそのとき、廊下の明かりが消えた。水を浴びたような恐怖が全身を駆け抜けた。
最後の数行は作り話だけど、まあ、浮き球の調節がおかしくなったのだろう。あるいは、何かの器具の接触不良か。どちらにしても、修理で金がかかるようなことにはなってほしくないものだ。

昨日の花冷えのせいで風邪をひいた。うっかり昼寝をしたのがいけなかったらしい。すうすう寒いなと感じながらも面倒くさくて薄着のまま寝てしまったのだ。起きたら、寒気と偏頭痛と節々の痛みとだるさと・・・。とうとう今夜は37.9度の発熱。明日、医者に行って葛根湯をもらってこよう。
(写真は2012年4月9日、香取市役所裏で撮影)