はるき悦巳短編全集

はるき悦巳短編全集 力道山がやって来た (ビッグコミックススペシャル)
たまたま「力道山がやって来た」を読んで面白かったので、「はるき悦巳短編全集」を購入して読んでみた。この中ではデビュー作の「政・トラぶっとん音頭」がよかった。また、「西の幸福」もほのぼのしている。「エンゼル」の不良の存在感も捨てがたい。
じつは代表作の「じゃりン子チエ」を読んだことがない。これをきっかけにして読んでみようかと思うのだが、67巻もある。ちょっと長すぎる。
蛇足:「待つ戦士たち」はディーノ・ブッツァーティの「タタール人の砂漠」に似ている。参考にして描いたのだろうか。未発表の作品なんだけど、こういうテーマは漫画に向かないと思う。やはり、はるき悦巳は伝奇・幻想的な漫画を描くよりも、身近な題材を明るく楽しい人情喜劇に仕立てる方がいい。作家にはそれぞれ自分の本領を発揮できる分野がある。自分の才能の所在を見極めることも実力のうちだ。