金田夫人の鼻・続

吾輩は猫である (声にだすことばえほん)
金田夫人の鼻に対する攻撃はまだ止まない。いくつか引用してみる。





「夫を剋する顔だ」と主人はなお口惜しそうである。
「十九世紀で売れ残って、二十世紀で店晒しに逢うという相だ」と迷亭は妙なことばかり云う。
(中略)
主人が「おい君、僕はさっきから、あの鼻について俳体詩を考えているんだがね」と木に竹を接いだようなことを云う。隣の室で妻君がくすくす笑い出す。
「ずいぶん君も呑気だなあ、出来たのかい」
「少し出来た。第一句が『この顔に鼻祭り』と云うのだ」
「それから?」
「次が『この鼻に神酒供え』というのさ」
「次の句は?」
「まだそれぎりしか出来ておらん」
「面白いですな」と寒月君がにやにや笑う。
「次へ『穴二つ幽かなり』と付けちゃどうだ」と迷亭はすぐに出来る。
すると、寒月が「『奥深く毛も見えず』はいけますまいか」

最近、忙しくてネタがない。で、「吾輩は猫である」からの引用でお茶を濁す