YouTubeで北杜夫

さびしい文学者の時代―「妄想病」対「躁鬱病」対談 (中公文庫)
先週、北杜夫の本を読み終えた後、もしかしたら30年前の映像がアップされているのではと期待してYouTubeをチェックしてみた。さすがに30年間の映像はなかったが、昨年5月「徹子の部屋」に出演したときの映像がアップされていた。なんだかとってもキュートなおじいちゃんになっていた。
「鬱というのは天然自然なものなんです。時期が来れば治ると思って、昆虫の冬眠と称してじっとしているんですね」
北杜夫の場合、鬱だけでなく躁もある。以前、躁状態のときに株に手を出して破産したことがあるという。まったくの素人なのに、怖いもの見たさで株に手を出したのだ。それ以来、躁状態ときには夫人が厳しく監視するようになったらしい。
「どんな人でも気分の波がありますけど、躁鬱病は断崖絶壁なんですね」
自分の意志でコントロールできない感情に振り回されるのはつらい。生きているだけで疲労困憊してしまう。よく、そんな苛酷な精神状態で無事に生きてこられたものだと思う。
「さいわい、ぼくは自殺願望だけはなかった」
やはり育ちの良さだろうか。人柄が伝わってきて、見ていると幸せな気分になる。
http://www.youtube.com/watch?v=R_mmiUfj2Vo