富士山と初夢

富士山


1月2日、夕方4時40分。  外浪逆浦の堤防から撮影。
買い物の帰り、田んぼの道を車で走っていると、堤防の向こうにお猪口を伏せたような小さな山影が見えた。あんな形状の山は関東平野にはない。慌てて家に戻り、カメラを手にして堤防へ向かった。
対岸は香取台地。その稜線よりも薄い影絵になっているのが富士山の山頂部分だと思う。北関東の東端から富士山が見えるなんて台風の後くらいのものだ。連日、北西の風が吹き続けているせいで、大気が澄み切っているのだろう。正月早々、富士山が見られるなんて、今年はいい年になりそうだ。

ところで、その晩、変な夢を見た。私はある本屋に雇われてレジに立っているのだ。どうやら臨時雇いとして、その日が初日らしい。慣れない手つきで品物を受け渡しているのだが、不思議なのはその店が露店で雑誌を商っていることだ。店の前の空き地に茣蓙を敷いて雑誌類を並べて売っている。私は他の店員たちと一緒に大声をあげて客寄せをしている。奇妙な本屋だなと思いながら帳場に立ち続けていると、しばらくして店主に呼ばれた。なんだろうと思って事務所に入っていくと「おまえはクビだ」という。客あしらいが悪いというのだ。いったいどこがどんなふうに悪いのかわかない。店主も具体的に指摘してくれない。ただ「クビだから出て行け」と言うばかりだ。私は割り切れない気持ちのまま店を出て行く。そうして、並べられた雑誌の間を歩いて行くと、目の前に鳥居が見えた。ああ、ここは神社だったのかとそのときようやく気がついた。
なんという初夢だろう。とうてい吉夢とは思えない。