Flann O’Brien “The Third Policeman”
The Third Policeman (1960s A S.)
- 作者: Flann O'Brien
- 出版社/メーカー: Flamingo
- 発売日: 1993/08/16
- メディア: ペーパーバック
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さて、この小説をどう評したものか? 黒い笑いのファンタジー、あるいは、死の世界を描いたルイス・キャロル。日本の風土からは、なかなかこういう作品は生まれないだろうな。異質なイメージ、グロテスクなキャラクター、よくもまあ、こんなヘンテコリンな発想が次から次へと湧いて出てくるものだ。
たとえば、半ば人間化した自転車、拡大鏡を使っても視野にうつらなくなった超微小製作物、音響を圧縮して熱と光を搾り出す装置・・・。また、この物語の中で常に異様な存在感を示しつづける3人の警察官たちも無気味だ。
現在、邦訳で読めるオブライエンの小説は長編4つと短編1つ。
- 筑摩世界文学大系68巻「スウィム・トゥ・バーズにて」と「第三の警官」
- 集英社・世界文学16巻「ドーキー古文書」(廃刊か? 数年前、古本屋でよく見かけたが)
- 国書刊行会「ハードライフ」
- 白水社「笑いの遊歩道」の中に「ジョン・ダフィーの弟」(短編)収録
この中で、どれか1冊と言われたら、私は「第三の警官」を推す。