風邪の季節

夏祭り

3月になると必ず風邪をひく。毎年の恒例行事みたいなものだ。もっとも、私の場合は年がら年中、のべつ幕なし軽く風邪をひいているので、ことさら珍しいことではない。ただ、3月の風邪は重篤になるので困る。
4年前にひいた風邪はひどかった。発熱して40度を超えた。あまりにひどいので病院に行ったら、肺炎になっていたことがわかった。あのときも3月だ。
診察室に入ったら、中年の医師が私の顔を見てすぐに、「あなた、相当に熱がありますね」と言ったのを覚えている。診察前に計ったときには37度くらいしかなかったのに、である。(夜になると、ぐんぐん熱が上がってゆく)
ちょっと問診しただけで、すぐに肺炎を疑われ、レントゲンを撮ったら案の定、肺炎だった。やはりプロは違う、と感心したものだ。
入院はしなかった。薬をもらって、当時住んでいた西荻窪のマンションに戻った。部屋は5階だった。マンションにはエレベータがなかったから、私はふらふらの足取りで階段を5階まで上らなければならなかった。