聞いちゃ、だめ!

コント55号

昨日、「スマステ!!」に萩本欽一が出演していた。運・不運について自説を語っていたが、まあ、それはどうでもいい。それよりも香取慎吾の「どうして、『聞いちゃだめ!』って言うんですか?」という質問に対する欽ちゃんの回答が興味深かった。
欽ちゃんは稽古中に劇団員に指示を出す。それもいきなり突拍子もないことを言うらしい。当然、団員は「え? どういうことですか?」と聞き返す。すると、欽ちゃんは「聞いちゃ、だめ」と言うのだそうだ。どうしてなのか?
A: 買い物に行ってきて
B: はい。何を買ってくるんですか?
A: 魚
B: 何匹ですか?
A: 三匹
これでは普通の会話だ。笑いが生まれない。
「買い物に行ってきて」と言われたら、「何を?」と聞き返さずに、すぐに駆け出すのが笑いの基本なのだそうだ。すると、頼んだ人が「おいおい、ちょっと待てよ」ということになる。そこから笑いがいろいろ広がっていくということらしい。
これは笑いの基本中の基本なのだろう。でも、私は知らなかった。まあ、コント作家でもないかぎり知る必要もないことだけど、こういう笑いを生み出すメカニズムを知ることは楽しい。手品の種明かしみたいだ。