ジャンク「鵜戸参り」

おそろしく古風な歌を聴いた。たまたまFMラジオから流れてきたのだが、戦前の流行歌かと思った。調べてみたら、なんと1975年にリリースされたフォークソングだ。まったく知らなかった。ジャンクなんて、いったい誰?ってかんじだ。
歌詞がすごい。西条八十の詩かと思った。

金糸や銀糸 雨の糸
緞子の帯を 織りましょか

七五調で、時代がかった言葉使いだが、妙に惹かれてしまった。おそらく平成の歌謡曲にはない様式美の世界が新鮮だったのだろう。最初は古くさい歌だと苦笑していたのに、いつのまにか心が乾いたスポンジのように感傷を吸収して、叙情に酔いしれてしまっていた。
レコードは廃盤になり、CD化される気配もない。だから、もう二度と聞くチャンスはあるまい。歌もまた一期一会か。
関連:http://d.hatena.ne.jp/fuyunokakashi/20070125